私たち紬屋瑠璃猫の商品は、古い着物を解いた生地を使用しています。
着物はとても洗練された衣服です。
形が時代によってはほとんど変化しないので、流行り廃りがありません。少しの体形変化には着付ける時の工夫で対応可能です。その日の、その身体に添わせる形で着物の着付けは完成します。
そして着物は、解けばまた一枚の布に戻すことが出来るのです。一枚の布に戻して、洗って、また再び新しい着物として次の世代に譲っていけるのです。

そうするために、着物を縫う職人「和裁技能士」は、一枚の長い布「反物(たんもの)」を着物に仕立て上げる時に、次の世代に上手く譲れるように、無駄の出ないように、それでいて、次の世代の人が、もっと大きな人である可能性も含めて考えて、余った布を着物の中に縫い込んでおくような事もしています。そして布を裁つ時に最低限の直線裁ちしかせずに、丸みなどは縫う事で表現しています。日本の着物が洗練された衣服であるのは、着物生地が素晴らしい伝統工芸品であることももちろんですが、「和裁技能士」という職人たちがやはり、知恵と工夫を凝らして縫っているからこその「きもの」であるのです。

こうして作られている日本の伝統的な衣服である「きもの」は、決して堅苦しく、窮屈な、決まりごとに縛られた古臭いものではありません。
実は「きもの」は、フレキシブルであり、自由で、人にも環境にも優しい、持続可能な衣服なのです。
紬屋瑠璃猫は、日本の「きもの」の良さを、もっと世界の沢山の方々に知っていただきたいと考えております。
ですが、「きもの」そのものは、着付けに苦手意識を持ってしまう方がおられたり、沢山の紐であったり、帯であったりという「着付け小物」が必要なものであるのは確かです。
そこで、逆説的ではありますが、まず、多くの方々に、着物生地に触れていただき、その肌触りの良さ、身にまとった時の華やいだ気持ち、柄の美しさなどという「きもの」が持つエッセンスを感じていただきたいと考えております。

「きもの」を愛する全ての方に、そして、まだ「きもの」に触れていない沢山の方に。